教職員(赤桐講師)の研究活動紹介

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教職員(赤桐講師)の研究活動紹介

本学院の赤桐敦非常勤講師(京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程在学中)が学会報告のためオーストラリアに行かれ、その活動中、本学院の学生にとっても興味深いのではないかと思われる部分を一文にまとめ、寄稿してくださいましたので、ご紹介します。

=====赤桐講師より=====

私は7月7日から一週間、オーストラリアのシドニーにいました。日本語教育国際研究大会SYDNEY-ICJLE2014に参加し、口頭発表を行うためです。

日本語教育国際研究大会は、2年に一度行われる日本語教育研究の世界大会で、今回で11回目です。前回は名古屋、前々回は天津で行われました。

日本からシドニーまでは、東京の成田から直行便が運航されています。飛行時間は9時間ぐらいで、時差は1時間しかありません。ただ、季節は北半球と逆なので、今は冬です。

シドニー空港に着いてまず驚いたのは、中国語と中国人が町に溢れていることです。空港の広告や案内には英語に並んで中国語が使われていますし、入国手続きで並んでいる人もほとんど中国人でした。

電車で市内に入り、ホテルにチェックインしたのですが、英語が苦手な私は少しまごつきました。友人の話では、オーストラリア英語とアメリカ英語は、少し違うのでやっぱり聞き取りにくいそうです。ホテルはきれいで、従業員もフレンドリーでした。オーストラリアでは、ちょっとした買い物でも、親しげに挨拶をして話しかけて来ます。

物価は日本より高いです。オーストラリアは、鉱業や農業などの第一次産業と金融などの第三次産業が発達していますが、製造業などの第二次産業はあまりありません。日本や中国と違い、工業製品の多くを輸入に頼っているために、物価が高くなるのです。

国際研究大会はシドニー工科大学で行われ、オーストラリア人の研究者も多く来ていました。基調講演では、オーストラリアの日本語教育が紹介されました。オーストラリアは、80年代から日本語教育が盛んで、現在でも第二外国語の中で一番学習者が多いそうです。しかし、日本がアジアでナンバーワンではなくなったこと、オーストラリア国内で英語だけを重視する保守的な考えが広がり第二外国語を学ぶ学習者が減っていること、などの理由から、将来日本語学習者が減少すると考えられています。

私は、言語政策のパネルで、「1900年前後の日中間の言語教育政策の接触―盧戇章が見た総督府の公教育政策―」という発表を行いました。盧戇章という人は、中国人で初めてピンインの原型を考案した人ですが、実は、彼が日本の支配する台湾に来て、総督府に勤務したことがあったのです。このことは、余り知られていないので、研究者の関心を引きました。

国際研究大会には、中国や東南アジアで教えている友人たちも来ており、久しぶりに会うことができました。また、日本で会うことのできない研究者たちと知り合うこともでき、とても有意義な時間を過ごすことができました。 本学大学院クラスのみなさんは、学位論文だけでなく、学会や学術雑誌などで自分の研究を発表することを目指して、研究の準備を行いましょう。

 

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